55人と描いた、うさぎの世界。個人制作の限界を越えた『うさぎトランプ』の舞台裏

55人の描いたうさぎが、手のひらの中で遊びはじめる。遊べるだけじゃなく、めくるたびに癒される。それが『うさぎトランプ』です。
企画したのは、『Team RABI』代表の兎(うさぎ)さん。「たくさんの人に、うさぎさんとイラストレーター様の魅力を届けたい」そんな思いから、55人のイラストレーター様とともに、壮大な挑戦が始まりました。
イラストの背景には、信頼でつながった制作の裏側や、試行錯誤を重ねた遊びへの工夫も。
ただ可愛いだけの作品ではありません。
遊べる。眺めて楽しい。語りたくなる。そんな『うさぎトランプ』の舞台裏を紹介します。

兎(うさぎ)さん
2020年に活動を開始したうさぎとVTuberをテーマにしたボードゲームを作成する同人ボードゲームサークル、『Team RABI』の代表。代表作は『あわてんぼうの~うサンタさん~』や『うさぎ探偵 うさたん』など。ボードゲームの試遊がメインのイベント『フォアシュピール』の運営も行っている。
(X)
「遊べる画集」を届けたい──うさぎさんとトランプを選んだ理由

まず初めに、うさぎトランプを作ろうと思ったきっかけを教えていただけますか?

一番は「たくさんの方に喜んでもらいたい」気持ちからでした。もちろん自分が面白そうと感じた理由もありますが、それ以上にうさぎさんが好きな方や、イラストレーターさんが好きな方にも喜んでいただけるものを作りたかったんです。
それでたくさんのイラストレーターさんの画集としても楽しんでもらえるトランプ「ポケットに入る遊べる画集」に願いを込めて作りました。

素敵な思いですね。それでなぜうさぎさんのトランプにしたのでしょうか?

実は以前うさぎさんを飼っていたことがあって。可愛くてたまりませんでした。それで、うさぎさんが好きな人たちに向けたゲームを作りたいと思ったんです。
トランプを選んだのは、多くの人に馴染みがあるからです。今回の企画には多くのイラストレーターさんにご参加いただいていますので、イラストレーターさんのファンの方々にもお手に取ってもらえる作品にしたかったんです。
私のようなボードゲーム愛好家は「新作!トリックテイキング!」のような奇抜なタイトルが響く一方、イラストレーターさんのファンの方々が、ボードゲームに詳しいとは考えにくい側面がありました。
そこで多くの人に馴染みのある「トランプ」を基盤にすることに決めました。馴染みがある反面、トランプはすでに多くの方が所有しているため、その中でいかに差別化を図るかが課題でした。そこで「うさぎコレクト」というオリジナルの遊び方を作って同梱することにしました。
どこかで遊び方のお披露目を考えていますので、支援者の皆さんにこれからどんな反応をいただけるのか、楽しみです。

55人でつくる挑戦。作品に込めた思いと工夫

今回、55人のイラストレーターさんが参加されているとのことですが、すごい人数ですね。

「1人に何枚か描いてもらうのが、費用的にも現実的じゃないか?」という話は上がっていたんです。でも今年はもう他の物は作らないと決断。うさぎトランプ1本に絞り、せっかくのクラウドファンディングだったら1人1枚で55人の方が面白いと考え、この大所帯を実現するに至りました。

どうやって55人集めたのですか?

メインデザイナーのトネコさんが、知り合いのイラストレーターさんを紹介してくれたんです。トネコさんが約50人、残りを私がお声がけしました。イラストレーターさんは穏やかな方たちでスムーズに進んでいきました。
まずは情報共有をスムーズにするために、全員でDiscordのチャンネルに集まり、制作がスタートしました。やりとりが見える化されたことで、一体感が生まれ、安心して進められる土壌が整ったと感じています。そこから約3ヶ月の期間を経て完成に至りました。

Discordに集まったんですね。やりとりの中で、印象的だった出来事はありましたか?

トネコさんが「途中経過」チャンネルを作り、そこに「途中経過です」ってラフを自主的に投稿してくださる方が多くて。自然とそういう動きが生まれたのが嬉しかったです。
皆さんラフの段階でクオリティが高くて、「これが完成したらどうなっちゃうの!?」とドキドキが止まらなかったです。
やりとりで言えば、55人の内ほとんどの方が私自身は面識がなかったため、とにかく信頼してもらう即対応を大事にしていました。
そのため、「請求書をもらったら即対応する」「質問も素早く応え、全体周知が必要なものは共有する」「不要なリテイクは要求しない」など、誠実な対応を心がけました。


なるほど、リテイクで言えば今回イラストの統一性は持たせず、皆さん思い思いのイラストに仕上がっていましたよね。

そうですね、イラストレーターさんそれぞれの良さがありますので、「うさぎを描いてください」以外の指定はしていませんでした。中にはスケルトンのうさぎさんもいたりしますよ、ちょっとびっくりしましたけど面白いと思いました(笑)。
マークと数字は皆さんに第一希望〜第五希望くらいまで取って、できるだけ希望に合ったものになるようにしました。すごいのが特に指定をしているわけでもないのに、各々の任されたマークや数字にゆかりのあるイラストに仕上げていました。本当に心強い仲間が集まってくれたなと感謝しています。

自作で挑んだページ作成、仲間に支えられてつないだ最後までやり遂げる覚悟
今回、苦労したことはありましたか?

55人の方とやりとりをするのは物量的に大変でしたね。それ以外は、クラウドファンディングのページやサイトなど私が作ったのですが、なにせデザインツールを使ったことがなかったのでとにかく時間がかかりました。

そこはおひとりで作られたのですね、なぜイラストレーターさんに依頼をされなかったのでしょうか?

当初は依頼する考えもあったのですが、クラウドファンディングのページはストレッチゴールの達成などで頻繁に見た目が変わるので、修正や対応を自分でやった方が早いなと思い、自作に踏み切りました。仕事の合間にコツコツやってましたね。
結果的にイラストレーターさんたちのすごさを見に染みて体験することになりました。「皆さんこんな難しいツールを使っているの!?」と。イラストレーターさんの方たちに直接聞いたら「日々勉強ですよ」と回答が返ってきて、皆さん尊敬しています。

多くの方と協力してものづくりをするというのは、やはり今までと感覚も違いましたか?

TeamRABIはでひとりサークルなので、今までも沢山の方々にお願いする形でご協力いただき作ってきました。
ただ、今回のようにデザイナーのトネコさんと相棒のように協力できたのは今までと違い非常に楽しかったです。ひとりでなかったらこんなに心強く製作が行えるのかと。
だからこそ、イラストレーターさんたちのためにも最後まで作り切らねばと思ったんです。皆さんの存在が心の支えになり、まるで見えない糸でつながっているような、そんな安心感がありました。

うさぎさんでつなぐこれからの未来へ

今後はうさぎさんに関してはどんな作品を作られていく予定ですか?

今回出会えた55名のイラストレーターさんたちと作品を作りたいですね。また今まではイラストで作ってきましたが、写真家さんなどにご協力いただいてリアルうさぎの作品も作りたいと思っています。
難しい面もあるかもしれませんが…そういったコラボや参加型の作品が今後も作れたら面白いなと思います。

うさぎ飼いの人にとっては夢のようですね。今後委託販売については考えていますか?

委託は是非やりたいと考えています!販路は常に探していますので、もし「うちで取り扱いたい」や協賛の話があれば、ぜひ声をかけていただきたいです。

最後に、読者・支援者へのメッセージをお願いします。

『うさぎトランプ』は趣味から始まった個人制作の作品です。こんな豪華なメンバーで作れることはそうそうないですし、次がある保証はないので、この機会に手に取っていただけたら嬉しいです!応援くださっている皆さま、本当にありがとうございます!

🐇 🐇 🐇
作品の裏側には、たくさんの工夫と、見えない努力、そしてなにより“うさぎがさん好き”というまっすぐな気持ちがありました。
ひとつ一つのカードに込められた思いを、あなたの手で感じてみてください。あなたの“うさぎ好き”が、誰かの思いと、作品と、そっとつながっていきますように。
うさぎトランプのクラウドファンディングは7/31(木)まで!通販サイトで販売する価格よりお安くお手に取れますので、この機会に是非お手に取って下さい!
うさぎトランプのクラウドファンディングはこちらから

※コメントは最大500文字、5回まで送信できます