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うさびと

うさぎさん達を600匹以上描いた水彩画家――家族の願いを形にする似顔絵

rezityo

大切な家族であるうちの子の姿を、柔らかな水彩タッチで描き出すイラストレーター・しず華*さん。活動歴16年、これまでうさぎさんやチンチラさんをメインに600匹以上の似顔絵を手掛け、飼い主さんの叶えたい願いを絵の中で形にしてきました。今回はしず華*さんの作品に込める想いや制作のこだわりについてお話を伺いました。

しず華*(屋号:カラー・リボンボン)

うさぎさんとチンチラさんをメインに水彩画やグッズ制作を行うイラストレーター。イベントやオンラインショップを通じてグッズ販売の他、全国の飼い主さんからうちの子の似顔絵オーダーを受けている。これまでに描いた似顔絵は600匹以上。うさぎさんとチンチラさん両方を専門に描く作家として知られる。自身もうさぎさんと暮らし、飼い主の想いに寄り添った制作を信条としている。

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専門学生からイベント出店。うさぎさんとチンチラさんを描き続ける理由

まず、イラストレーターとしての活動の歩みを教えていただけますか?

れじちょ
れじちょ

もともと絵を描くことと動物が大好きだったのですが、専門学生時代に先生に勧められて『クリエイターズマーケット』へ足を運んだとき、その世界観に衝撃を受けました。

会場いっぱいに広がる多彩な作品と、作家さんから直接作品を買える距離感に魅了され「私もここで出店したい」という思いが芽生え、学校の合同出店などに積極的に参加するようになりました。

卒業後は雑貨屋の販売員や建築会社の事務、派遣スタッフなど、さまざまな職場で働いてきましたが、どんなに忙しくても筆を置くことはなく、仕事の合間や帰宅後に絵を描き続けていました。

しず華*
しず華*

似顔絵制作はいつから本格的に?

れじちょ
れじちょ

2015年頃からSNSで「うちの子描きます」と呼びかけたのがきっかけです。反響が大きく、気が付けば600匹以上を描くまでになりました。

しず華*
しず華*

600匹…!すごい数ですね!その依頼はうさぎさんやチンチラさんが多いのですか?

れじちょ
れじちょ

実際にはわんちゃんや猫ちゃんの依頼が多いですね。でもうさぎさんとチンチラさんをメインにしているのは、絞った方が印象として残りやすいのと、まだまだうさぎさんとチンチラさんを描く人が少ないので私が描こうという思いで描き始めたんです。

少ないが故に需要もあると感じていて、以前チンチラさん専門のイベントに出店したときは想像以上の人に作品をお手に取っていただけました。そこからうさぎさんだけじゃなく、チンチラさんの依頼も多数入るようになったので、うさぎさんとチンチラさんをメインに活動しています。

しず華*
しず華*

人前で描くのを楽しめるようになった、ライブペイント

似顔絵はよくイベントなどで人前で描かれていますよね。このスタイルになった理由を教えていただけますか?

れじちょ
れじちょ

百貨店の催事をしていたとき、グッズを並べて立っているだけでは作家として認識してもらえないんじゃないかという不安があったんです。そこで、自分が描けることをお客様に直接見てもらおうと、その場で公開制作をするようになりました。

描いている姿を見るのはなかなか無いじゃないですか。描いていれば声掛けをせずとも注目してもらえますし、一目で作家だと分かる説得力があります。その場で作品が仕上がっていく過程をお客様と一緒に楽しめるのが魅力です。だから人前で絵を描くようになったんです。

しず華*
しず華*

なるほど、緊張はしないのですか?

れじちょ
れじちょ

実は全然緊張しないんです。場数を踏んでいるのもあるのですが、友人に誘われてDJイベントでライブペイントをした経験が活きているんだと思います。お客様の反応や笑顔を間近で感じられることが嬉しくて、楽しい気持ちでいっぱいです。お喋りが楽しくて描くのが止まっちゃうこともあるのが玉にきずですが(笑)。

しず華*
しず華*

叶えられなかった情景を絵で実現。飼い主さんの想いを汲み取る

作品を描くうえで大切にしていることは何ですか?

れじちょ
れじちょ

一番は、お客様の気持ちに寄り添うことです。「本当はうちの子にやらせてあげたかったけどできなかったこと」を絵で叶えてあげたい。

例えば、安全面や環境の都合で外でお散歩させられなかった子を、青空の下で楽しそうに歩かせている姿として描くなど、現実では難しかった情景を絵の中では実現できます。飼い主さんの心の中にある理想の思い出や願いを形にできるんです。

依頼をくださる方の中には、「虹の橋を渡った子を描いてほしい」「先代の子と今の子を一緒に描いてほしい」などの依頼もあります。そうしたときは、描きながら私自身も胸が熱くなりますし、「家に帰ってきたみたい」と涙ぐむお客様の姿を見ると、この仕事を続けてきて本当に良かったと感じます。

しず華*
しず華*

お客様の気持ちを大切に汲み取っているのが良く分かります。

れじちょ
れじちょ

ありがとうございます。こうしたスタイルも、お客様の要望を重ねる中で自然に形づくられたものです。「草原を楽しそうに走る姿を描いてほしい」「好きだった食べ物も一緒に描いてほしい」など、リクエストの幅が広がるたびに新しい構図や背景を考え、気づけば今の“想いを映す似顔絵”のスタイルになっていました。

しず華*
しず華*
編集長もうちの子を描いていただきました♪

描いた一枚がその方の人生の中で“生涯大切にしたい作品”になることを意識して活動しています。何年経っても見返すたびに温かな気持ちが蘇る、そんな作品を届けたいと思っています。

しず華*
しず華*

育児の先に見据える、新たな創作と出会いの場

今後チャレンジしたいことはありますか?

れじちょ
れじちょ

ずっと叶えたいと思ってるのがぬいぐるみ制作です。いつか形にしたいですね。実は以前お客様に「実現します!」と宣言したのですが、生産コストなどの課題が沢山ありなかなか踏み切れず…。私は「一所懸命」と「有言実行」の2つの言葉を大切にしているので、実現したいなと思います。

あとは東京や大阪での個展。今は育児中で長期遠征は難しいですが、子どもが大きくなったら遠方のお客様のためにもどんどん遠征していきたいです。

しず華*
しず華*

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

れじちょ
れじちょ

うさぎさんやチンチラさんをはじめ、うちの子はただのペットではなく、かけがえのない家族です。だからこそ、その子たちを描くときは、粗末にせず、大切に思う気持ちごと受け取って、丁寧に形にしています。

絵は、写真では叶えられない夢を叶えられるものです。一緒に撮れなかった子たちを並べたり、似合う背景や小物を添えたり。その一枚が、見たときに心があたたかくなる“家族の証”になれたら嬉しいです。

もし「うちの子を描いてもらおうかな」と思ったときは、どうぞ安心してお任せください。あなたの大切な想いに、全力で寄り添って描かせていただきます。

しず華*
しず華*

大切な家族との思い出は、写真だけでは残せない温もりがあります。しず華*さんの水彩画は、その温もりを柔らかく包み込み、形にしてくれます。うさぎやチンチラ、そしてすべてのうちの子を愛する人々の想いに寄り添う彼女の作品は、きっと見る人の心をあたたかくしてくれるでしょう。

しず華*さんの作品はオンラインショップでも販売されておりオーダーも受け付けています。興味が湧いた方は是非覗いてみてください。

カラー・リボンボンの公式ショップはこちらから!

〈取材・文=れじちょ/編集=みほ

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れじちょ
れじちょ
うさぎライター
とにかくうさぎが好きで、うさぎカフェに回数券で通ってる人。 沢山の人を取材して、いつか「うさびと図鑑」を出版したい。 愛犬ミックスのハチ、愛兎ミニウサギのいちご、お月様組
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