斜頸でも、心はまっすぐ前を向く——介護うさぎ・美海子ちゃんの小さな生きる力

お迎え当初は「なつっこい女の子」と聞いていたけれど——
気づけば先住うさぎにマウンティング、手を入れればガブリ。そんなギャップに驚かされたる日々。昔は気の強かったうさぎさん。
愛知県名古屋市で羊毛フェルト教室『アトリエモンレーヴ』を開いているNeedlefelt幸さん。そのかけがえのない愛兎が美海子ちゃんです。今回は美海子ちゃんの個性豊かな日々と現在の様子をお届けします。

美海子(ミミコ)ちゃん
2014年10月17日生まれ、気の強いうさぎさん。日光浴とフルーツが好き。介護うさぎになりながらも、旬のフルーツを楽しみに暮らしている。
美海子ちゃんは先住うさぎさんのユキくんの孫娘のような存在になってほしくてお迎えされました。

元々、ユキくんと同じ白いうさぎさんをお迎え予定でショップに行きましたが、既にお家が決まっており、その中でお迎えができる子が美海子ちゃんでした。これも何かのご縁かとお迎えされたそうです。
元々「人懐っこい子ですよ」と言われており、ユキくんも喜ぶと思いお迎えをしたそうですが、実際にお迎えをすると豹変。
ケージに手を入れれば噛みつき、ユキくんには頭からマウントを仕掛ける始末。実際は気の強い女の子でした。
※イメージです
そんな美海子ちゃんは日光浴が大好き。冬になると日当たりの良いベランダの窓の前に陣取り、気が済むまで温まります。暑くなると、冷感マットでクールダウン。これを何度も繰り返します。まるでサウナと水風呂のようです。


食事は生野菜やフルーツをよく食べ、特に桃とスイカが大好き。毎年夏の時期になると美味しそうに食べています。

2024年の12月、10歳2ヶ月とおばあちゃんうさぎになった美海子ちゃんは数ヶ月前に発症した神経症状が悪化。激しいローリング期があり、食欲も無くなり生死の狭間をさまよいました。
しかし、「病気のまま逝かせたくない」と幸さんの懸命な看護とうさ友さんたちの手助け、そして美海子ちゃんの生命力で何とか危険な時期を乗り越える事が出来たそうです。

介護は必要なものの、自力でご飯を食べれるようになり、力強く生きています。そして2025年7月には大好きだった桃とスイカにありつき季節を堪能することができました。

顔は斜頸で傾いてしまっても、心は前を向いて生きている美海子ちゃん。諦めなかったからこそ、今年も大好きな桃を味わうことができました。その姿は、「もうダメかもしれない」と感じたときこそ、あきらめずに寄り添うことの大切さを教えてくれます。
思うようにいかない日があっても、すぐに諦めない。小さくても、静かでも、前に進む力は、ちゃんと続いていく。美海子ちゃんは美味しい季節のフルーツを味わうために今日も力強く生きています。
サウナと水風呂





〈取材・文・イラスト=れじちょ〉

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